人の生体信号を情報通信技術に活用

小林邦和教授

機械学習は、人間が日常生活を通して得られる情報の中から、再利用可能な知識を獲得する過程をコンピュータ上で実現することを目指し、元々は人工知能における研究を通して誕生しました。

当初は論理推論を基礎としていましたが、近年のコンピュータ処理性能の大幅な向上により、膨大な計算が必要なアルゴリズムの実装や大容量データ(ビックデータ)の実時間処理が容易になりました。そのため、機械学習はデータマイニング、信号処理(音声処理、画像処理)、バイオインフォマティクス、ロボット制御、ゲーム理論、医療診断、生命科学・脳科学、金融工学など 、多岐に渡る分野へ適用されています。 その結果、機械学習の応用分野は、近年目覚しい発展を遂げ、多くの社会的価値をもたらすことが期待されます。

本研究室では、機械学習の理論と技術をロボット(コンピュータ)の知能化へ適用しています。 人間はサッカーなどの団体スポーツや荷物の共同輸送などの協調動作を行う際、集団の共通目標を達成するため、言語/非言語のコミュニケーションを利用し、他社とうまく協調を図りながら行動しています。現在、このような協調動作をロボットに行わせることは、知能化技術の遅れから、大変困難な課題となっています。

本研究室では、他者の行動予測や意図推定、アイコンタクトなどにより、ロボットの協調行動を実現することを目指しています。 将来的には、他者と一切のコミュニケーションを取らず、あうんの呼吸でロボットに協調動作を行わせることが究極の目標です。

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