人の生体信号を情報通信技術に活用

生体信号から人の状態を推定・予測

小栗教授

人体からは、心臓や筋肉、脳からの電気信号など、様々な生体信号が発せられています。

また、人の行動により姿勢や視線などにも変化を見ることができ、こうした情報を解析することで様々な人の状態を推定したり予測したりすることが可能です。 たとえば、体調不良になった場合、病院ではいろいろな検査を実施し、こうした検査結果(生体信号)から、病気を予測、確定診断し、さらに治療を行っています。 人体は様々な環境の中でバランスを取っている関係で、生体信号は複雑で個人差も大きく、その解析には統計的な手法や機械学習など、情報科学の技術が応用されています。

最近では、生体信号解析技術は、医療だけでなく様々な場面で活用されるようになってきています。 たとえば、自動車運転時におけるドライバの生体信号を解析することで、ドライバの眠気や疲労の度合いを推定したり予測したりする技術開発を行っています。

情報科学共同研究所は、機能別に3台のドライブシミュレータを有しており、これらのドライブシミュレータを活用し、様々なシーンを再現し、 その際のドライバの生体信号解析を行うことで、最新の予防安全システムの評価や、次世代のドライバエージェントの開発等の研究を進めることが可能です。

IoTバイオセンシング、解析技術の開発

2020年には約13.8兆円にまで国内市場規模が拡大すると予測されるIoT(Internet of Things)。この中でも、人の生体信号をモニタリングし、 そのビッグデータを解析することで人の状態を推定・予測する技術が注目されています。

小栗研究室では、カフレスによる血圧推定技術の開発を進めており、超小型のセンサにより血圧の常時モニタリングを実現し、 これらのデータから状態推定する手法を提案しています。また、血圧だけでなく、心電や筋電など様々な生体信号のモニタリングデータと合せることで、 被験者の状態の視える化技術を開発しています。こうした技術は、人の状態を指標化できる手法として様々なシーンで実用化されています。 小栗研究室では、こうしたバイオセンシング技術から取得した生体信号の解析手法の開発、さらにはそれらのシステム構築と、 先進の生体信号IoT技術に関する研究開発を実施することが可能です。

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