衛星データを環境問題の解決に

衛星データを環境問題の解決に

吉岡教授

 当研究室では、人工衛星による地球観測データから、環境に関する情報を抽出する手法について研究を行なっています。
 「ランドサット7号」「いぶき」等の人工衛星に搭載されたセンサーからの情報を活用し、愛知県の特定地域における環境監視支援システムを構築。監視地域の土壌や植生、アスファルト、水分量といった、地表の構成要素を人工衛星からモニタリングし、植生量やヒートアイランド現象の推移などを明らかにしています。また過去40年間の気象データの解析から、地球規模の環境問題の将来予測を行う基礎データの作成も行なっています。
 観測データは、高い精度が絶対条件です。しかし人工衛星からのデータ抽出は、簡単な作業ではありません。複数のセンサーにおける精度や仕様のばらつきの他、大気の光学的特性、観測波長帯等、さまざまな条件がデータに影響を与え、正しいモニタリングを阻む要素となります。その解決策として、データに相対校正を加えるアルゴリズムが確立できれば、あたかも1つのセンサーで過去から未来を見るような安定したデータが得られます。相対校正における基礎的な理論については10年以上の先進的な成果が蓄積されています。
 また、ハワイ大学の研究室に進んだ学生を輩出するなど、グローバルな問題に対応するグローバルな人材育成にも注力しています。

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