人の生体信号を情報通信技術に活用

身の回りには様々な画像があふれています.デジカメやプリントシールは身近ですが,他にも,工場の品質検査や道路上に設置されたカメラによる自動車のナンバー読み取りなど多岐にわたります.当研究室では,医療現場で撮影された画像を用いた,医用画像処理に関する研究を行っています.

当研究室では,医用画像処理に関する研究のなかで,計算機支援診断(Computer-aided Diagnosis/Detection; CAD) システムの開発を行っています.CADでは,医用画像を解析し,病変候補位置や質的診断情報の提示を目指します.このCADは医師に取って代わるものではなく,コンピュータが"第二の意見"として,診断の補助をするシステムです.カーナビゲーションシステムをイメージすると理解し易いと思います.

当研究室では,このCADの中でも画像処理技術を用いた人体のモデリングを行います.これにより,未知の患者データに対して動的に人体全体の画像解析が実現できます.特に重点的に取り組んでいる部位は骨格筋(いわゆる筋肉)です.超高齢社会の現在,健康寿命の延伸は重要であり,そのためには,正常な骨格筋の理解は重要な課題です.ここでは,骨格筋量の正確な計測や,骨格筋内の特徴,相互関係の認識・解析技術の開発はもちろん,難病の鑑別診断など情報技術により既存の医学をアップグレードする貢献も目指しています.

以上のように,本研究室で取り扱う研究対象は,医師,技師などの医療従事者にとどまらず,学生,患者や患者の家族など多岐にわたります.それぞれの対象者に必要なシステムは何かを常に問い,画像処理技術にとどまらず,日進月歩の様々な工学技術を駆使し医学(社会)への貢献を目指しています.

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