人の生体信号を情報通信技術に活用

人が通常コミュニケーションに用いている言語のことを自然言語といい、計算機を用いて自然言語を解析したり合成したりすることを自然言語処理といいます。当研究室では、大量の自然言語テキストの分析、自然言語の計算論モデルの提案、応用システムの計算機による実装など、自然言語処理の基礎及び応用の研究を行っています。

「自然言語処理」とは、あまり聞き慣れない言葉かも知れません。しかしこの分野の研究が始まったのは案外古く、1940年代中頃に計算機に言葉の翻訳(いわゆる機械翻訳)をさせようと考えたのが最初だと言われています。それからおよそ70年、機械翻訳だけでなく、情報検索や対話システムなど数多くの研究が行われてきました。

さて現在、インターネットを通じて様々な情報を容易に手に入れることができますが、インターネットの性質上、その信頼性や品質は保証されていません。このため、インターネットで得た情報はその内容を見て取捨選択する必要があります。しかし、情報は氾濫するほどたくさんありますから、計算機を利用してこの作業を効率化できるととても便利です。

このような観点から、近年では特に、文章の難易度判定、文の接続性の定量化、新聞記事のヘッドライン同定、センチメント情報の抽出などの研究を重点的に行っています。 我々人間はコミュニケーションの手段としてだけではなく、知識表現や思考の手段としても自然言語を用いています。このため、自然言語処理の研究を通じて、人間の「知の構造」を知る手がかりが得られるものと考えています。

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