世界最速のパターン認識技術を提案

何教授

 当研究室では人工知能と画像処理を中心とするソフトウエア系の研究を行なっています。中でも、パターン認識に不可欠なラベル付けの研究では、世界最速のアルゴリズムを提案。この成果により、IEEEからシニアメンバーの資格を取得しました。
 パターン認識は、さまざまな場面での応用が期待されている技術です。
 医用画像の処理に関する研究では、肺ガンの検査等で胸部X線写真を撮影した場合、肋骨や鎖骨の陰に隠れた病変部分を肉眼では見落とす場合があります。そこで画像・パターン認識技術を用い、画像上で肋骨を分離させる手法の開発を行なっています。また画像からの機械的な診断するシステムを開発すれば、病変の見落としも回避できます。
 日本は人間型ロボットの先進国ですが、パターン認識はその開発に重要な要素技術です。ロボットの目に人間と同じ機能を持たせる場合、センサーに映る物体が何なのか、正しく認識させる必要があります。当研究室のパターン認識技術は、膨大な情報処理を高速で実行でき、動的画像の認識に大きな力を発揮します。
 また、人工知能の研究も進めています。米シカゴ大学との共同研究で、コンピュータ支援医療診断システムを開発している他、数学でまだ人間もコンピュータも証明できていない定理を証明したいと考えています。
 研究の最終目標は、アンドロイド型のロボット開発です。単純な作業はすべてロボットが行い、人間が労力から解放される。そんな時代が来ることを信じて、研究に邁進しています。

イメージ