科目

シミュレーション数理Ⅱ

科目区分 専門教育科目(情報) 対象学年(以上) 4年
科目名称 シミュレーション数理Ⅱ 単位数 2.00単位
講義題目 有限要素法入門 曜日・時限 火曜3限
担当教員 代田 健二 開講時期 2019年度前期
到達目標 ポアソン方程式など基本的な偏微分方程式の境界値問題に対して,有限要素法により近似解を求めることができ,求めた近似解の妥当性を検証することができる.
授業概要 様々な物理・工学上で扱う現象は,偏微分方程式を用いた数理モデルで表現されることが多い.そのため,それら現象の数値シミュレーションを行うためには,数理モデルを離散化し計算する必要がある.本講義では,偏微分方程式で表された数理モデルに対する代表的な数値解法である「有限要素法 (FEM)」のアイディアと基礎理論を講義する.また,MATLABおよび有限要素法計算ソフト FreeFem++ を用いて,各種数理モデルに対する数値シミュレーションを実施することで,数値実験に必要な基礎事項を修得する.
授業計画 第1回 ガイダンス
第2回 偏微分方程式による数理モデル
第3回 偏微分方程式に対する数学的解法
第4回 偏微分方程式の可解性
第5回 有限要素法 (1): 概略と FreeFem++
第6回 有限要素法 (2): 要素分割と有限要素空間
第7回 有限要素法 (3): 連立一次方程式導出と数値解法
第8回 有限要素法 (4): 誤差解析とアダプティブ法
第9回 有限要素法 (5): 線形弾性問題への適用
第10回 有限要素法 (6): 熱伝導問題への適用
第11回 有限要素法 (7): 数値流体力学1 (ストークス方程式に対する解法)
第12回 有限要素法 (8): 数値流体力学2 (ナビエ・ストークス方程式に対する解法)
第13回 有限要素法 (9): 波動方程式への適用
第14回 有限要素法 (10): FreeFem++による実習
第15回 まとめ
定期試験
授業外学習 講義内容をよく予習・復習するとともに,各自でFreeFem++による数値シミュレーションを行うことにより,さらに理解を深めておくこと.
履修上の注意 関連科目: 代数 I・II,解析 I・II,応用数学 I,数値解析法,シミュレーション論 I
受講要件: 関連科目履修を受講要件とはしないが,取得していることが望ましい.
成績評価の方法 定期試験(85%),授業に対する積極性・授業態度・演習状況(15%)で評価する.
教科書 使用しない.講義資料は,講義ホームページ(第1回講義にて紹介)へ掲載する.
参考書 大塚厚二, 高石 武史, 有限要素法で学ぶ現象と数理 -FreeFem++数理思考プログラミング-, シリーズ応用数理 4, 共立出版, 2014.
菊地文雄, 有限要素法の数理 – 数学的基礎と誤差解析 -, 計算力学とCAEシリーズ 13, 培風館, 1994.
田端正久, 偏微分方程式の数値解析, 岩波書店, 2010.
登坂宣好, 大西和榮, 偏微分方程式の数値シミュレーション [第2版], 東京大学出版会, 2003.
中山司, 流れ解析のための有限要素法入門, 東京大学出版会, 2008.
矢川元基, 吉村忍, 有限要素法, 計算力学とCAEシリーズ 1, 培風館, 1991.