学部長
挨拶

学部長挨拶

情報科学で新しい未来を拓く力をつけよ(想像の域を遥かに超えた未来を目指して)

 近年、情報科学分野で誕生した多くの革新的な技術がメディアを賑わしています。深層学習、大規模言語モデル、量子コンピュータの技術進歩はまさに日進月歩の様相を呈し、SNS、電子商取引、認証サービスやサイバーセキュリティなどの関連技術は社会の基盤を形成するものとなりました。想像の域を遥かに超えるペースで進行する情報科学技術の発展は簡単に予測できるものではありません。しかし、ひとつ言えることは、情報科学が今後さらに社会を変革させる中心的な役割を果たすであろうということです。

 幸い、他の学問と同様に、情報科学にも普遍性のある考え方や知識・技術が多くあります。激変する社会を生き抜くためには、それらをしっかりと身につけた人材であることが大切だと考えています。情報科学で “足腰を鍛えぬいた骨太な人材”であれば、予測できない未来における多種多様な課題にも粘り強く、また、柔軟に対応できることでしょう。

激動の時代を駆け抜けている情報科学部ですが、1998年の発足以来すでに四半世紀が経ちました。スマートフォンもなかった当時は「情報科学ってなにするの?」と聞かれることも度々ありましたが、今ではその認知度も高まり、高校における必修科目として位置づけられるまでになりました。人材育成の面では、第4次産業革命(Society 5.0)を支えるIoT(モノのインターネット)、人工知能(AI)、ロボット技術、ビッグデータ、データサイエンスなどの新しい分野をリードする高度情報技術者の育成が急務とされています。また、これらの技術は、愛知県が次世代主要産業と位置付ける次世代自動車、ロボット、航空宇宙産業を根底から支える基盤技術です。そのため、IT、AI、データサイエンス等の人材を育成し続けることは、モノづくり先進県である愛知を根底から支える取り組みであり、公立大学としての本学の重要な使命と考えています。

 このような要請に応えるため2021年度に情報科学部では、従来の1学科3コース制を1学科4コース制に再編しました。IoTやプログラミングをはじめ情報科学の基盤を学ぶ情報システムコース、ビッグデータ技術を学ぶシミュレーション科学コース、人工知能(AI)技術を学ぶ知能メディアコース、ロボット技術を学ぶロボティクスコースへの再編です。この改革により、ICTの各領域の専門性を一層強化するとともに、受験生や産業界等の多くの方々に教育内容の違いを示しやすくなったと考えています。

 本学が教育理念として掲げてきた「良質の研究に裏打ちされた良質の教育」を心に刻みつつ、学部教職員一同、この長久手の地で地道な努力を重ねています。これからも年々入学してくる意欲的な学生らと共に、“しびれるような研究”を目指して困難な課題にも果敢に取り組んでまいります。本学への進学を検討している皆様、我々と共に未来を切り拓く力を磨いてみませんか?そして関係者の皆様、厳しくも暖かい目でこれらの取り組みをお見守りください。皆様からの変わらぬご支援・ご協力を切にお願いする次第です。

情報科学部長 吉岡博貴教授