オペレーションズ・リサーチ

科目区分	専門教育科目（情）	対象学年(以上)	4年
科目名称	オペレーションズ・リサーチ	単位数	2.00単位
講義題目	数理モデル化と問題解決	曜日・時限	月曜1限
担当教員	奥田　隆史	開講時期	2019年度前期
到達目標	情報通信ネットワークの最適な設計や効率的な運用をするためには，適切な数理モデルにより接続要求の発生パターン，サービス様式，ネットワークのトポロジー，ネットワーク内の状態等を表現し，ネットワークの性能を定量的に評価することが必要です．本講義では，性能評価に必要なモデリング，マルコフ連鎖，トラヒック理論（待ち行列理論），最適化理論について講義をします．また，ネットワークシミュレーターを活用した最適化についても触れます．本講義を受講し，課題を解決することで，情報通信ネットワークの最適設計や効率的運用に関する基礎的な問題を解決することができるようなります．なお，この授業は企業でネットワークビジネス（VANサービス（付加価値通信網サービス））の研究開発に携わった経験をもつ教員による情報通信ネットワークの最適な設計や効率的な運用のための数理モデル基づく問題解決の解説です．
授業概要	本講義は，情報システムの性能評価やネットワーク最適設計に広く用いられているオペレーションズリサーチの代表的な手法・ツールについて，具体的な適用事例を示しながら解説することにより，手法やツールの基本となる考え方を理解することを目的としています．具体的には，待ち行列理論，信頼性評価理論，数理計画法，シミュレーションについて解説します．また，ネットワークシミュレータ，ゲーム理論，オークション理論などの原理についても解説をします．
授業計画	第1回　オペレーションズリサーチとは第2回　Excel概論と経済性分析第3回　線形計画法第4回　整数計画法第5回　動的計画法第6回　データ包絡分析法第7回　日程計画第8回　ヒューリスティック解法第9回　階層的意思決定法第10回　シミュレーション第11回　在庫管理第12回　待ち行列理論第13回　金融工学第14回　安定結婚問題，ゲーム理論，投票力指数，組合せ最適化第15回　まとめ
授業外学習	教科書を熟読するとともに練習問題に取り組み，オペレーションズ・リサーチについて深く理解するように努めてください．また，参考図書や適切なサイトで講義で学んだことに関連することをさらに自分で調べてください．
履修上の注意	■確率論，ネットワーク管理，コンピュータネットワーク論，ネットワーク構成論，通信ネットワーク，情報システム実験（LAN構築）等の科目と関連があります．本講義は選択科目でもありますから，履修にはこれらの科目について関心があることが望ましいです（「無理に強いられた学習というものは，何ひとつ魂のなかに残りはしない．(プラトン）」）． ■プレゼンテーションの基礎的なリテラシーには習熟している必要があります．また，プレゼンテーションで概念について理論や式のコンセプトを説明してもらいます（「理解しているかどうかは，自分の言葉で表現できるかどうかで判断できる．（アルベルト・アインシュタイン）」，「もし本に書いていることなら，記憶する必要はない．（アルベルト・アインシュタイン）」）．
成績評価の方法	■成績評価：プレゼンテーション・質疑応答(30％，回数は履修者数に依存），期末レポート(70%)で総合的に評価します．プレゼンテーションでは基本的概念の意味を正しく理解しているかどうかを，期末試験では基本概念を正しく用いて現実の問題に適用して理論的に考えることができるかを判断します．　 ■出欠席と最終試験受験資格について：出席点はありませんし，情報科学部履修規定（第5章−第12条−3）「出席時間数が当該授業実施時間数の3分の2に満たない学生には、受験資格を与えない。」に従い，講義への出席回数が3分の2未満の学生には試験の受験資格を与えることができません．なお，10分以上の遅刻（公共交通遅延などの場合除く）については，講義が中断してしまうため欠席として扱います．
教科書	伊藤益生，『例題で学ぶオペレーションズ・リサーチ入門』，森北出版，2015．
参考書	[1]京都大学工学部情報学科数理工学コース (編集)，「数理工学のすすめ」，現代数学社，2000．[2] 高橋敬隆他，「わかりやすい待ち行列システム—理論と実践」，電子情報通信学会，2003．[3]Vidyadhar G. Kulkarni, Modeling, Analysis, Design, and Control of Stochastic Systems (Springer Texts in Statistics), Springer-Verlag, 1999．[4] 滝根哲哉, 西尾章治郎, 伊藤大雄，「インターネット〈5〉ネットワーク設計理論」，岩波書店，2001．[5]吉岡良雄，「待ち行列と確率分布：情報システム解析への応用」，森北出版，2004．[6]松井泰子，根本俊男，宇野毅明，「入門オペレーションズ・リサーチ」，東海大学出版会，2008． [7]大野勝久，逆瀬川浩孝，中出康一，『Excelで学ぶオペレーションズリサーチ』，近代科学社，2014．