科目

符号理論

科目区分 専門教育科目(情報) 対象学年(以上) 2年
科目名称 符号理論 単位数 2.00単位
講義題目 誤り訂正符号の構成論~情報の誤り訂正のしくみ~ 曜日・時限 木曜1限
担当教員 臼田 毅 開講時期 2019年度後期
到達目標 情報理論で学んだ通信路符号化定理と符号理論との関連について理解し説明できる.誤り訂正・検出符号についての基礎事項である,ハミング距離・ハミング重み・最小距離といった概念,及びそれらの概念と誤り訂正・検出の必要十分条件の関連を理解し説明できる.基本的な復号規則を理解し説明できる.符号構成理論として,線形符号,巡回符号について理解し説明できる.
授業概要 情報理論で学んだ通信路符号化定理は,信頼度の高い通信を行うための符号化の限界を示し,そのための符号の存在を保証する存在定理である.しかし,具体的な符号化法については,別途考えなければならない.符号理論は,正に,それに応えるための理論である.本講義では,信頼度の高い通信を行うための誤り検出,誤り訂正の理論を学ぶ.まず,情報理論で学んだ通信路符号化定理と符号理論との関連について述べ,誤り訂正・検出符号についての基礎事項である,ハミング距離・ハミング重み・最小距離といった概念について解説する.それらの概念と誤り訂正・検出の必要十分条件の関連を理解させる.また,2元線形符号の理論を解説し,例として,単一パリティ検査符号とハミング符号を取り上げる.さらに,代数学に基づいて記述される美しい体系である,巡回符号の理論について解説する.
授業計画 第1回  情報理論から符号理論へ
第2回  誤り訂正・検出の基礎概念(1)導入
第3回  誤り訂正・検出の基礎概念(2)ハミング距離・ハミング重み・最小距離
第4回  誤り訂正・検出の基礎概念(3)誤り訂正・検出の必要十分条件・限界距離復号法
第5回  2元線形符号(1)線形符号の定義
第6回  2元線形符号(2)単一パリティ検査符号
第7回  2元線形符号(3)ハミング符号
第8回  2元線形符号(4)一般の線形符号
第9回  2元線形符号(5)単一誤り訂正の条件・符号の限界式
第10回 巡回符号(1)定義と多項式表現
第11回 巡回符号(2)組織的巡回符号
第12回 巡回符号(3)シンドロームと復号
第13回 BCH符号
第14回 復習
第15回 まとめ
定期試験
授業外学習 教科書の該当箇所の予習,講義ノート等をもとにした復習を基本とし,レポートが出題された際には,レポート課題にじっくり取り組むこと.必要に応じ,参考書も参照すると良い.
履修上の注意 関連科目:情報理論,1,2年次の数理科目(特に,代数,幾何)

受講要件:2年次前期の情報理論は習得しているものとして講義を実施する.

成績評価の方法 評価基準:誤り訂正・検出符号についての基礎事項である,ハミング距離・ハミング重み・最小距離といった概念を理解し,それらの概念と誤り訂正・検出の必要十分条件の関連を理解しているか.基本的な復号規則を理解し,符号構成理論として,線形符号,巡回符号について理解しているか.

評価方法:期末試験,小テスト・レポート,演習時間における解答(発表)の状況および受講態度により総合的に評価する.各項目の成績評価に占める比率は,以下を目安とする.
期末試験(55%),小テスト・レポート(40%),演習時間における解答(発表)の状況(5%.標準的な問題1問につき,成績評価の1~5%程度.優秀な解答を数多く行った場合,合計5%を超えて加点することがある),受講態度(減点方式.普通に受講していれば減点しない)

教科書 汐崎陽著「情報・符号理論の基礎」オーム社
または
内匠逸編著「新インターユニバーシティ 情報理論」オーム社
を開講時に指定
※教科書に採用しなかった方も最重要参考書と位置づけられる
参考書 参考書:今井秀樹著「符号理論」電子情報通信学会