科目

回路基礎論

科目区分 専門教育科目(情報) 対象学年(以上) 1年
科目名称 回路基礎論 単位数 2.00単位
講義題目 回路基礎論を学ぶ 曜日・時限 火曜1限
担当教員 戸田 尚宏 開講時期 2019年度前期
到達目標 電気電子回路理論の情報科学における役割は、計算機を構成する要素とその構成法という観点と、情報科学が取り扱う自然現象群の中における雛形の現象の理論を与えるという観点である。本講義ではこの役割を理解する事により、情報技術者としとて最低限のハードウェア知識と、関連する科目に挙げた科目への基礎が身に付き、簡単な電気回路を設計できる。
授業概要 上記目標を達成するため、従来の交流理論の内容から特に複素インピーダンスに関する回路解析法のみを用いて1次、2次フィルタ回路と、それらの周波数特性を導出するための方法論、及び計算機内を流れる矩形波に対する応答を記述するために、微分方程式(1階)を用いた解析法に関して講ずる。
授業計画 第1回 情報科学における電気・電子回路 
 ・コンピュータを実現する手段としての回路 ・自然現象を記述する際の手本としての電気現象 ・電気電子回路の体系と、本講義の位置付け
第2回 直流回路I
 ・電流、電圧の定義 ・抵抗、電圧源、電流源の定義 
第3回 直流回路II
 ・キルヒホッフの法則(電流則、電圧則) ・抵抗直列回路
第4回 直流回路III
 ・抵抗並列回路 ・抵抗直並列回路 ・ブリッジ回路 ・抵抗で消費される回路
第5回 交流回路構成素子I(コンデンサ)
 ・コンデンサの電圧と電流の関係 ・コンデンサの合成容量(直並列接続)・演習課題
第6回 交流回路構成素子II(コイル)
 ・コイルの電圧と電流の関係 ・コイルの合成容量(直並列接続) ・コイルとコンデンサ抵抗を含む回路の取り扱いについて ・演習課題
第7回 交流回路の基礎
 ・交流電圧源、交流電流源 ・交流をコンデンサに加えると ・定常化 ・演習課題
第8回 複素交流
 ・交流を複素平面内で回転する点として捉える ・複素交流をコンデンサ、コイルに加えると ・複素インピーダンス ・演習課題
第9回 複素インピーダンスによる回路解析
 ・合成インピーダンス(直並列合成) ・分圧、分流 ・演習課題
第10回 回路の周波数特性I(素子の周波数特性)
 ・振幅特性 ・位相特性 ・コンデンサ、コイル、抵抗の周波数特性 ・演習課題
第11回 回路の周波数特性II(低域通過特性)
 ・1次及び2次低域通過(フィルタ)回路 ・低域通過回路の振幅、位相特性
 ・周波数特性のベクトル軌跡、対数表示 ・演習課題
第12回 回路の周波数特性III(高域通過特性)
 ・1次及び2次高域通過(フィルタ)回路 ・高域通過回路の振幅、位相特性・演習課題
第13回 回路の周波数特性III(共振特性)
 ・共振回路 ・共振周波数 ・演習課題
第14回 回路の過渡特性I(低域通過フィルタの場合)
 ・1階微分方程式による1次低域通過フィルタの過渡特性の記述 ・微分方程式の解法 ・時定数
 ・矩形波入力に対する応答 ・演習課題
第15回 回路の過渡特性II(高域通過フィルタの場合)
 ・1階微分方程式による1次高域通過フィルタの過渡特性の記述 ・矩形波入力に対する応答  ・演習課題
 ・定期試験の説明

定期試験

授業外学習 復習:演習課題をレポートとする。課題の無い場合は例題を解いておく。
予習:次回の講義資料該当箇所を読み疑問点を整理しておく。
履修上の注意 関連科目: 本講義の内容は、論理回路論、ロボット制御、ディジタル信号処理論、システム同定論、ディジタル通信、音声音響情報処理論、環境リモートセンシング、シミュレーション数理Ⅰ、シミュレーション数理Ⅱなどの基礎を与える。
受講要件: 予習:講義資料を読み疑問点を明確にしてくること。復習:課題レポートを作成すること。
成績評価の方法 演習課題に関するレポート10%以下、期末試験90%以下、講義への積極さ・学習態度などを総合して評価する。
教科書 講義中に資料を配布する。
参考書 「交流理論」と入っている本は多く出版されいて、どれも参考にはなる。