科目

地球科学入門

科目区分 全学共通科目(教養科目) 対象学年(以上) 1年
科目名称 地球科学入門 単位数 2.00単位
講義題目 地球システム科学(大気圏と生物圏) 曜日・時限 金曜4限
担当教員 吉岡 博貴、小木曽 学 開講時期 2019年度前期
到達目標 気候変動に代表される全地球規模の課題を解決するためには,地球全体を対象とした物質とエネルギーの循環について理解し,地球システムを科学的に解釈することが必要である.本講義の目的は地球システムの構成要素である大気圏と生物圏を中心に,動的地球観を養うこと,ならびに,水の惑星といわれる地球で生物多様性が生み出される仕組みを理解することが目的である.それにより,グローバルな視点とリージョナル・ローカルな視点をバランスよく合わせ持つ人材育成に貢献することが目標である.
授業概要 前半では動的地球観に基づく地球システムの科学的解釈を中心に学修する(担当者:吉岡).地球を,さまざまな物質で構成される1つのシステムとしてとらえ,それら構成要素間での物質やエネルギーの動きに着目し,大気大循環の仕組みについて理解する.後半では,生命の誕生以降の地球大気の変遷,生物の多様性が生み出された仕組みを理解し,生態系と地球環境との関連について考える(担当者:小木曽).同時に,長久手などの東部丘陵地域が生物多様性の「ホットスポット」であることを実感し,この地域の多様性を守るために何をすべきか,何をしてはいけないか,を理解する.
授業計画 第1回 地球科学の位置付け,本講義の目的,「地球科学」の捉え方
第2回 地球システムとは:システムとサブシステム,エルニーニョ現象
第3回 大気圏の理解に必要な物理の基礎:太陽放射,温室効果,地球観測手段
第4回 大気圏(1):大気の構成・構造,安定性
第5回 大気圏(2):地球表層の動的側面(大気大循環の仕組みについて)
第6回 地球規模の環境問題:地球温暖化(温室効果ガス)やオゾンホールなどについて
第7回 前半の復習,まとめ(1)
第8回 地球システムにおける生物圏と大気圏とのつながり,酸素の起源
第9回 生物圏の構成員(生態系)と太陽光の利用:動物と植物の違い
第10回 生物圏を構成する有機化合物の特徴,水の役割
第11回 生物圏における多様性:生命の誕生から細胞の進化,遺伝子と遺伝情報
第12回 生物多様性と進化:分子進化からみた系統樹と分岐年代の推定
第13回 地域環境における生物圏:日本列島の成り立ちと「東海丘陵要素」の起源
第14回 生物圏における循環系:呼吸と光合成によるエネルギー循環
第15回 生物圏に及ぼす環境問題,まとめ(2)
授業外学習 各講義の最後には次回の学修項目について簡単に紹介する.紹介された項目や授業計画に示されている項目については参考図書等で予習をしておくこと.配布する資料は一部が穴埋め形式となっている.講義中の解説にもとづき全ての空欄を埋め,資料を完成すること.講義後は完成した資料について必ず復習しておくこと.身近にある東海丘陵要素や環境の変化を体験すること.
履修上の注意 週末や水曜日の午後を利用して学外におけるイベントなどへの参加(学修)や,地域環境の観察・調査(学内外での自然観察)を複数回実施する計画である.実施する場合には,これら活動への積極的な参加実績も評価の対象とする.自然に対して興味を持って接すること.
成績評価の方法 評価基準:大気圏や生物圏の動的側面を理解し,地球システムを動的地球観にもとづき科学的に解釈できるか.
評価方法:中間試験(約45%),期末試験(約45%),小テスト・レポート・講義・学外での観測や調査などへの積極的な参加状況(約10%),を総合的に判断して評価する. 
教科書 資料,および,演習で利用するデータ等は必要に応じて配布する.
参考書 参考図書:「地球システム科学入門」 鹿園直建著,東京大学出版会
「地球科学入門」内藤玄一・前田直樹著,米田出版
「里山の生態学」広木詔三,名古屋大学出版会