科学と人間・社会
科目区分 | 教養教育科目(教養科目) | 対象学年(以上) | 1年 |
---|---|---|---|
科目名称 | 科学と人間・社会 | 単位数 | 2.00単位 |
講義題目 | 科学や科学技術は人間の考え方や社会のあり方にどう影響してきたか,未来はどうなるか. | 曜日・時限 | 月曜3限 |
担当教員 | 河辺 義信 | 開講時期 | 2019年度前期 |
到達目標 | ・科学や科学技術にあまり興味のなかった人が新しい世界を知り,知的興奮を覚え,自ら学ぶ姿勢を身につける. ・日常生活の中で科学や科学技術の話題に興味をもつことができる. ・今後,科学や科学技術によって,人間や社会をどう変えていくのかについて想像し,自分自身がどのように関わっていくかについて,意見をもつことができる. |
||
授業概要 | 20世紀に発展をとげた物理学や生物学などは人類に現代的な生活をもたらしたが,一方で負の側面も持っていた.同様に,21世紀における脳科学や情報科学なども,プラスとマイナスの両面を持つと考えられる.我々には,人間や社会にとって科学とは何か,どうあるべきか,科学技術に関する教訓を次の世代にどう伝えるか,などを意識することが求められる.そこで本授業では,科学技術の歴史を振り返り,人間や社会に対する関係性の変化や影響を知るとともに,問題点を明らかにする.そのうえで,次世代の科学や技術について,我々がどのように関わるべきかを議論する.上述の内容について,グループワークによる調査・発表を中心としながら,学生が一人称で取り組めるような授業として進めていく. | ||
授業計画 | 1. 導入: 「授業の基本的な進め方」 「チーム分け (1チーム,3〜5名.15チーム程度を想定) とアイスブレイク」 2. 科学技術の歴史: 「人文科学・社会科学・自然科学」「科学と技術」 「自然科学の発達」「技術の発達」 「科学技術を発展させた偉人たち」 3. グループワーク:テーマ決め&調査・プレゼン作成 4. グループワーク:調査・プレゼン作成の続きと発表練習 5. プレゼン発表会・意見交換 6. 現代社会にとって科学とは: 「あなたにとって科学とは」「科学と生活・社会の関わり」 「科学は社会をどう変えた(る)か」「科学技術の明と暗」 7. グループワーク:テーマ決め&調査・プレゼン作成 8. グループワーク:調査・プレゼン作成の続きと発表練習 9. プレゼン発表会・意見交換 10. 未来に向けての科学技術と教育: 「科学教育とは」「日本と諸外国の動向」 「これから必要となる科学技術」「科学技術のあるべき未来」 11. グループワーク:テーマ決め&調査・プレゼン作成 12. グループワーク:調査・プレゼン作成の続きと発表練習 13. プレゼン発表会・意見交換 14. 情報科学と第三次・第四次産業革命 15. まとめ・振り返り 補足:上述のように,グループワークを3回行う.各回とも,グループごと5分程度のプレゼンを行う予定である.以下に課題例を示す (あまり難しく考えず,グループ単位で自由に調べて発表できればよい). =科学技術の歴史= 「物理学の歴史」「化学の歴史」「数学の歴史」「日本の数学『和算』とは」 「地球科学と宇宙科学の歴史」「医学の歴史」「薬学の歴史」 「時計と時間計測の技術史」「産業革命とその後の世界」 「日本の科学史」「江戸時代の『からくり』について」 「日本古来の木造建築」「鉄道の歴史」「飛行機の歴史」「自動車の歴史」 「近代コンピュータの歴史」「バベッジの階差エンジンとエイダ・ラブレス」 「歴史上の科学者・技術者と主な仕事(ニュートン,ライプニッツ, アインシュタイン,エジソン,ベル,...)」 ほか =現代社会にとって科学とは= 「古代人と現代人の生活の違いは何か」「鉄道を支える最新技術」 「放送を支える最新技術」「航空機を支える最新技術」「コンピュータの最新技術」 「インターネットと情報セキュリティの技術」「排ガス規制と自動車の最新技術」 「最新の医療技術」「もしも世の中に○○技術がなかったら,私たちの生活 (家での生活,外での生活,大学の授業,...)で何が困るか」 「コンピュータによる株の自動売買」「各国の宇宙開発競争」「科学技術と国家防衛」 「現代の科学技術と戦争・兵器」「防災のための科学技術」 「20世紀と21世紀の生活様式の違い」「今世紀になって発展してきた科学技術分野」 「メートル法と国際単位系」 ほか =未来に向けての科学技術と教育= 「解説:日本政府の考える未来の科学技術社会」 「クリプトアセット(電子現金)と今後の社会」「ディジタルディバイド問題」 「なぜ科学教育が必要か(それとも必要ないのか)」「ビッグデータとプライバシ」 「科学技術に関する負の側面の教訓を,どのように後世に伝えるか」 「人工知能とシンギュラリティ」 「将来の科学技術社会に向けて,現在,社会制度として足りないもの」 「わが国がエネルギー資源を十分確保するには,どんな技術が必要か」 「再生可能エネルギーを普及させる方策」 「日本の科学教育と国家戦略」「米国の科学教育と国家戦略」 「中国の科学教育と国家戦略」「欧州の科学教育と国家戦略」 「30年後になくなる職業と残る職業」「2025年以降の科学技術とあるべき倫理」 「科学技術の濫用は防止できるか」 ほか |
||
授業外学習 | ・1回目は導入である.授業の基本的な進め方について理解し,グループワークの準備 (チーム内の連絡先の交換など) を済ませておく. ・2回目,6回目,10回目は,翌週以降のグループワークとプレゼン発表に関する,テーマ決めのきっかけを作るための座学である.各回とも振り返りを行うとともに,グループ内で話し合いを行い,次回以降のグループワークのテーマ選定につなげてゆく. ・3〜5回目,7〜9回目,11〜13回目は,グループワークおよびプレゼン発表会である.グループワークの回では翌週の作業や発表内容について振り返りを行い,また発表会の際にはうまくいった点や反省点をレポートにまとめる. ・14回目は,情報科学を扱う.身近なコンピュータやインターネットが,生活にどのように影響しているか,各自考えをまとめると良い. ・15回目は,全体の振り返りである.自分たちのプレゼン全体を振り返り,また座学での内容を振り返って,考えをまとめる. |
||
履修上の注意 | ・(重要) 受講希望者は,初回は必ず出席すること.チーム分けの都合上,初回の欠席者は受講できない可能性があります. ・初回にチーム分けを行います (1チーム 3〜5人).教室内の机の数から定員が決まります.定員を超える場合は,抽選となります. ・チームごとに座席指定とします.毎回,決められた席に着席のこと. ・プレゼン作成回について:資料作成用のノートPCを持参できる人は,用意してください (グループで1台用意できればよい).ノートPCの用意できないグループについては,授業外に端末室で作業してもらう予定です (他の授業との兼ね合いで,授業時間には端末室は使えないとのことです).「作業レポート」という形で,作業内容を報告してもらいます. ・グループワークで現地調査や書籍購入が必要な場合,費用は受講生の自己負担とする.図書館の利用を推奨する. |
||
成績評価の方法 | ・合否について:グループワークによる3種類のプレゼン作成・発表 (60% = 20%×3),および,個人別に行う授業中の小テストと最終レポート (40%程度) で決定する.総合60%以上を合格とする. ・欠席過多/遅刻過多の者は,失格とする. ・課題のフィードバック:プレゼン作成時に,適宜アドバイスや解説を行う. |
||
教科書 | 必要に応じてハンドアウトや参考資料を配付する. | ||
参考書 | 参考書:授業中に示す. 教材:必要に応じて資料を配付する. |