科目

民族と国家

科目区分 教養教育科目 対象学年(以上) 1年
科目名称 民族と国家 単位数 2.00単位
講義題目 日欧君主制比較 曜日・時限 金曜3限
担当教員 今野 元 開講時期 2019年度前期
到達目標 平成28年8月に天皇が、内閣との事前相談なしに直接国民に譲位の意向を示したことで、日本政治では再び君主の在り方が議論されるようになってきた。2019年度は、平成31年から新元号元年への移行、それに伴う各種皇位継承儀礼の実施という、ほぼ30年に一度しか起きない現象がみられる年度である。また「上皇」の誕生は、実に200年ぶりの出来事である。そこでこの講義では、日本の君主制である皇室制度を、古今東西の君主制と共通の項目において比較し、よりよく理解することを目指す。共通の項目とは、(1)君主の称号とその由来、(2)君主制成立の経緯、(3)君主位の継承方法(世襲か選挙か、世襲の場合の継承順位はどうか)、(4)君主の婚姻形態(一夫一妻制か一夫多妻制か、国内結婚か国際結婚か、貴賤結婚を許すか、離婚を許すか、など)、(5)女性の役割(女帝・女王を認めるか、どの程度儀礼の場に女性が登場するか、女性はどのような服装をするか、など)、(6)君主と民衆との関係(君主制が民主化にどう向き合ったのか)、(7)君主位の象徴物及び継承儀礼、(8)(すでに滅亡している場合は)君主制滅亡の経緯、(9)(すでに滅亡している場合は)現在のその国における君主制の記憶の継承、などである。
授業概要 授業は直接参加型ではなく、教授者による講義形式で行う。講義では、日本の君主制を理解するために、まず比較対象としてヨーロッパの君主制、特に近現代日本の模範である独英の事例を扱い、次いで日本の事例を概観する。授業計画は講義を実施する際には微修正する可能性がある。
授業計画 第1回:「君主制」 に関する一般理論     
第2回:古代ローマにおける君主制    
第3回:ドイツにおける君主制 
第4回:イギリスにおける君主制 
第5回:フランスにおける君主制 
第6回:ロシヤにおける君主制    
第7回:「天皇」の成立
第8回:天皇家と摂関家の擡頭 
第9回:朝廷と武家政権の擡頭  
第10回:武家政権と朝廷の依存   
第11回:禁裏と江戸幕府 
第12回:明治維新と典憲体制の成立   
第13回:「國體」思想の急進化
第14回:昭和及び平成の天皇   
第15回:譲位表明(平成28年8月)に関する三つの議論 +総括討論
授業外学習 復習:配布する「講義要綱」を見て講義内容を振り返り、適宜内容をまとめておくこと。
履修上の注意 講義内容の理解を促進するための「講義要綱」を毎回配布する。しかし「講義要綱」は簡潔であるため、細部は自分で聞き取り、板書された語句を見て記入する必要がある。講義中の入退室・会話は必要最小限とし、学生の飲食は原則禁止する。
成績評価の方法 評価は授業内の筆記試験で行う。
教科書 教員が毎回配布する「講義要綱」を教科書の代わりとする。
参考書 その都度指示する。全体を把握する教科書はない。