名著を英語で読む
科目区分 | 教養教育科目(教養) | 対象学年(以上) | 1年 |
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科目名称 | 名著を英語で読む | 単位数 | 2.00単位 |
講義題目 | 新たな視点で鍛える読む力と考える力 | 曜日・時限 | 月曜3限 |
担当教員 | 大森 裕實 | 開講時期 | 2019年度前期 |
到達目標 | 「大学生の英語再入門」本講義は、英語の読解力――「英語を読むとはどういうことか」に対する感性を研くことを究極の目標に定め、いわゆる「名著」と考えられる現代の著述を精読することを通して、そこに込められた思想(人生観及び歴史観)を読み解くことができるようになることを目指す。そうした読解実践の過程から、日本語とはまったく異なる系統の言語による表現内容を正確に理解し、その底流に潜む真の思想を見究める言語的洞察力を修得する。 | ||
授業概要 | 本教養科目は講義科目には違いないが、教授者からの一方向的な知識の提供という方式は採らず、受講学生との双方向的な知識の共有を計る演習方式(実践方式)を採用する。従って、毎回テキスト註解担当者が丹念に辞書を引いて、あらかじめ作成した資料を基に検討を加え、受講生一人一人が、自分の頭でよく考え、自身の見解を自由に述べることのできる知的空間を創出したい。本授業で主として扱う英文は多岐にわたる--古今の高名な学者にして論客であるP. トラッドギル、E. ライシャワー、A.J. トインビー、B. ラッセル、新渡戸稲造が著わした、論文調の言語論・社会論及び硬質な文体の思想的随筆である。また講義期間の中間点では、現在の日本人のbackboneを形成しながら、高校時代にはなかなか触れる機会のない(しかし、大学生としては一度は触れておきたい)英語版「日本国憲法」の主要部を読んで「幕間」とする。 | ||
授業計画 | 第01回:イントロダクション(英語を精読する技術と書き手の視点を理解する心)/精読のモデル(文法知識の活用)――Highet’s The Art of Teaching (1950) 第02回:P. Trudgillの言語論①(テキストの前半部) 第03回:P. Trudgillの言語論②(テキストの後半部) 第04回:E.O. Reischauerの日本論(Language)①(テキストの前半部) 第05回:E.O. Reischauerの日本論(Language)②(テキストの後半部) 第06回:A.J. Toynbeeの世界観①(テキストの前半部) 第07回:A.J. Toynbeeの世界観②(テキストの後半部) 第08回:英語版『日本国憲法』(前文/第一条/第九条) 第09回:新渡戸稲造の日本論(Bushido)①(テキストの序論部) 第10回:新渡戸稲造の日本論(Bushido)②(テキストの中核部) 第11回:B. Russellの幸福論(Envy)①(テキストの序論部) 第12回:B. Russellの幸福論(Envy)②(テキストの中核部) 第13回:B. Russellの幸福論(Effort & Resignation)①(テキストの序論文) 第14回:B. Russellの幸福論(Effort & Resignation)②(テキストの中核部) 第15回:まとめ(教養として「英語を読む」ということ) |
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授業外学習 | 1. 毎回採り上げる英文箇所について、事前に丹念に辞書を引いて一通り読んでおくこと。 2. 予習した際に注目した英語表現を抜き出して、オリジナル表現集を作成すること。 |
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履修上の注意 | 1. 将来英語教員を目指す学生の履修は特に歓迎する。 2. 本講義は「名作を読む」ではないので、文学作品の味読を期待することはできない。 3. 講義内容を薄くしたくはないので、一定水準の英語力(英検2級程度)のある学生の履修が望ましい。 |
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成績評価の方法 | テキスト註解を含む定期試験(30%)/単元ごとの小レポート&小テスト6回(60%)/プレゼン等積極的貢献度(10%)を基準に総合的に評価する。 | ||
教科書 | 特に指定しない。教授者の配布する資料に拠る。 | ||
参考書 | 安藤貞雄(1986)『英語の論理 日本語の論理』(大修館書店) 紀田順一郎(1988)『名著の伝記』(東京堂出版) 小島義郎(1988)『日本語の意味 英語の意味』(南雲堂) 佐々木髙政(1980)『[新訂] 英文解釈考』(金子書房) 朱牟田夏雄(1959)『英文をいかに読むか』(文建書房) 安井 稔(2014)『英語とはどんな言語か』(開拓社) |