N:1 対応 Case 1 クラス

N:1 対応 Case 1 に分類されるクラスは，次の表のとおりです.

N:1 対応 Case 1 クラス

機能	Swing	SWT
プッシュボタン	JButton	Button
チェックボックス	JCheckBox
ラジオボタン	JRadioButton
トグルボタン	JToggleButton
アローボタン	BasicArrowButton
テキストコンポーネント	JTextComponent	Text
エディタ領域	JEditorPane
テキスト領域	JTextPane
テキストエリア	JTextArea
テキストフィールド	JTextField
フォーマットされたテキストフィールド	JFormattedTextField
パスワードフィールド	JPasswordField

ここでは，ボタンの変換方法について説明します.

変換方法

Swing

Swing ではボタンを表すクラスに，JButton クラスや JRadioButton クラス，JCheckBox クラスなどがあります. プッシュボタンは JButton クラス，ラジオボタンは　JRadioButton クラスなど，ボタンの種類によって各クラスが用意されています.

JButton や JRadioButton の主なコンストラクタは，次のようになっています.

• public JButton()
  アイコンもテキストもないプッシュボタンを生成します.
• public JButton(Icon icon)
  指定されたアイコンの付いたプッシュボタンを生成します.
• public JButton(String text)
  指定されたテキストのついたプッシュボタンを作成します.

ボタンがクリックされたときの動作を設定するためには，addActionListener() メソッドで ActionListener を追加し，ActionListener インターフェースのactionPerformed() にクリック時の動作を書き込みます.

従って，ボタンをパネルに埋め込むプログラムは次のように記述できます.

JButton button = new JButton("ボタン"); 

button.addActionListener(new ActionListener() {
	public void actionPerformed(ActionEvent ae) {
	    // ボタンクリック時の動作
	}
    });
	
panel.add(button);

JButton には ActionListener の他に，ItemListener や MouseListener などのリスナーも追加できます．

SWT

SWT ではボタンを表すためのクラスに Button クラスがあります．Button クラスのコンストラクタは次のようになっています．

• public Button(Composite parent, int style)
  parent で指定したコンポーネントに埋め込むボタンを生成します．style はボタンの種類を指定するもので，SWT クラスの定数が指定できます．

Swing ではボタンの種類ごとにクラスがあるのに対し，SWT では Button クラスのコンストラクタの第2引数 style に指定された定数によって，各種類のボタンが生成されます．従って，

Button push = new Button(parent, SWT.PUSH);

と記述するとプッシュボタンが，

Button radio = new Button(parent, SWT.RADIO);

と記述するとラジオボタンが生成されます．Swing のボタンを表す各クラスと SWT の定数の対応関係を次の表のとおりです．

種類	Swing のクラス	SWT の定数
プッシュボタン	JButton	SWT.PUSH
チェックボックス	JCheckBox	SWT.CHECK
ラジオボタン	JRadioButton	SWT.RADIO
トグルボタン	JToggleButton	SWT.TOGGLE
アローボタン	BasicArrowButton	SWT.ARROW

Button クラスでは，テキストを設定するために setText() メソッドを使用します．

public void setText(String text)

Button クラスではクリック時の動作を設定するために，addSelectionListener() メソッドで SelectionListener を追加し，SelectionListener インターフェースの widgetSelected() メソッドにクリック時の動作を書き込みます．

従って，SWT では次のようにボタンをパネルに埋め込みます．

Button button = new Button(panel, SWT.PUSH);
button.setText("ボタン");
button.addSelectionListener(new SelectionListener() {
	public void widgetSelected(SelectionEvent se) {
             // クリック時の動作
	}
	
	public void widgetDefaultSelected(SelectionEvent se) {
	    widgetSelected(se);
	}
    });

Swing ⇒　SWT

N:1 対応 Case 1 に分類されるクラスは，次のように Swing から SWT へ変換できます．

// Swing
JButton button = new JButton("ボタン");
button.addActionListener(new ActionListener() {
	public void actionPerformed(ActionEvent ae) {
	    JButton b = (JButton)ae.getSource();
	    System.out.println(b.getText());
	}
    });
	
panel.add(button);

---------->

// SWT
Button button = new Button(dummy, SWT.PUSH);
button.setText("ボタン");
button.addSelectionListener(new SelectionListener() {
          public void widgetSelected(SelectionEvent ae) {
              Button b = (Button)ae.getSource();
              System.out.println(b.getText());
          }

          public void widgetDefaultSelected(SelectionEvent ae) {
              widgetSelected(ae);
          }
    });

button.setParent(panel);