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: 参考文献 : ペトリネット入門 : ペトリネットの解析


ペトリネットのサブクラス

ペトリネットの構造に制約を加えたサブクラスが各種提案されている。 ペトリネットの挙動的解析問題は一般的に解くことが難しいが、 サブクラスによっては、ある種の問題が効率よく解ける場合がある。

マークグラフ

各プレースの入出力トランジションがちょうど1つずつであるペトリネットを マークグラフ(marked graph)という。 マークグラフは競合を表すことができない。

状態機械

各トランジションのの入出力プレースがちょうど1つずつであるペトリネットを 状態機械(state machine)という。 状態機械は同期を表すことができない。

自由選択ネット

プレース $p$ から トランジション $t$ へ向かうアークは、 $p$ の唯一の出力アークである(図9(a))か、 $t$ の唯一の入力アークである(図9(b))かの いずれかであるペトリネットを自由選択ネット(free choice net)という。 自由選択ネットでは、共通の入力プレースをもつトランジションは すべてが発火可能であるか、すべてが発火可能でないかのいずれかである。

図 9: 自由選択ネット
\begin{figure}
\centering\setlength {\unitlength}{0.5pt}%\begin{picture}(360,1...
...kebox(0,0){(a)}}%
\put(280,20){\makebox(0,0){(b)}}%
\end{picture}%\end{figure}

問題 8   図10(a)(b)(c)(d)のネットは、マークグラフ、状態機械、 自由選択ネット、その他のいずれであるか。

図 10: サブクラス
\begin{figure}
\centering\setlength {\unitlength}{0.5pt}\begin{picture}(740,420)...
...kebox(340,10){(c)}}
\put(400,0){\makebox(340,10){(d)}}
\end{picture}\end{figure}



ohta@ist.aichi-pu.ac.jp