過去のセミナー

 


[第30回]

日時: 2023年7月13日(木) 17:30--19:00

 

場所,実施形態: 愛知県立大学サテライトキャンパス (愛知県産業労働センター15階) と Zoom でのハイブリッド形式で開催.

 

講演者: Ziqing Xiang(南方科技大学)

 

講演題目: Tight block designs

 

講演概要: A block design is tight if its size achieves the Fisher type lower bound. The only known nontrivial tight block designs of strength at least 3 are Witt 4-(23, 7, 1) design and its complement. It has been proved that they are the only examples when the strength is between 3 and 19. In this talk, I will show that for a nontrivial tight t-(v, k, lambda) design, v << t as t goes to infinity.

 


[第29回]

日時: 2023年7月3日(月) 17:00--18:30

 

場所,実施形態: 愛知県立大学サテライトキャンパス (愛知県産業労働センター15階) と Zoom でのハイブリッド形式で開催.

 

講演者: 品川 和雅(茨城大学)

 

講演題目: 有限群の一様巡回群分解とそのカードベース暗号への応用

 

講演概要: カードベース暗号とは、カード組を用いて暗号技術を実現する研究分野である。本講演では、有限群の一様巡回群分解というある種の分解を導入し、一様巡回群分解の基本的性質を述べるとともに、そのカードベース暗号への応用について紹介する。本研究は、金井和貴氏、宮本賢伍氏、縫田光司氏との共同研究である。

 

備考:arXiv からプレプリントが利用できます.

 


[第28回]

日時: 2023年6月12日(月) 17:00--18:30

 

場所,実施形態: 愛知県立大学サテライトキャンパス (愛知県産業労働センター15階) と Zoom でのハイブリッド形式で開催.

 

講演者: Octavio Arizmendi(CIMAT数学研究センター )

 

講演題目: Energy of graphs and vertices

 

講演概要: Energy of graphs, introduced in mathematics by Gutman in the 70´s is a quite studied invariant of graphs. In (2018) with Juarez, we introduced a refinement called Energy of a Vertex. This allows to give better bounds and a local understanding for the energy of a graph. In this talk I will survey on the topic of Energy of Graphs and on recent results in relation with Energy of a Vertex, that I derived with various coauthors.

 


[第27回]

日時: 2022年10月28日(金) 16:00--17:30

 

場所,実施形態: 名古屋工業大学52号館3階5232教室 と Zoom でのハイブリッド形式で開催.

 

講演者: 野口 健太(東京理科大学)

 

講演題目: 曲面上のグラフ理論におけるグラフの構造と彩色

 

講演概要: 講演者は曲面上のグラフ,とくに「三角形分割」グラフと「四角形分割」グラフに関する性質や彩色について興味があり,その中でも三角形分割の全域部分グラフとしての四角形分割や四角形分割に辺を加えてできる三角形分割のように,2つのグラフの族の関係についての研究を長く続けている.本講演では,その研究対象が曲面上のグラフ理論における彩色を中心とした数多くの問題と関連していることを紹介し,既存の結果と問題意識を述べる.さらに問題解決に向けた講演者の今までの研究と,最新の研究:射影平面上の三角形分割が2-彩色可能な全域四角形分割をもつための必要十分条件について述べたい.

 


[第26回]

日時: 2022年9月5日(月) 15:30--17:00

 

場所,実施形態: 愛知県立大学サテライトキャンパス (愛知県産業労働センター15階) と Zoom でのハイブリッド形式で開催.

 

講演者: 顧 玉杰(九州大学)

 

講演題目: Private Information Retrieval Meets Graph Based Replication Systems

 

講演概要: Private information retrieval (PIR) enables a user to retrieve an item from the database without revealing the identity of the retrieved item. In this talk, we introduce the PIR problem in graph based replication systems, and provide constructions of PIR schemes by means of colorings of graphs and Steiner systems. Based on joint work with Bar Sadeh and Itzhak Tamo (TAU).

 


[第25回]

日時: 2022年7月25日(月) 16:00--17:30

 

場所,実施形態: 愛知県立大学サテライトキャンパス (愛知県産業労働センター15階) と Zoom でのハイブリッド形式で開催.

 

講演者: 川﨑 菜穂(東北大学)

 

講演題目: 荒川-金子型多重ゼータ関数と2色半順序集合に付随する積分表示

 

講演概要: 荒川-金子型多重ゼータ関数はRiemannゼータ関数の多重化として知られる1変数関数である. 金子-津村(2018)は, 荒川-金子型多重ゼータ関数とEuler-Zagier型多重ゼータ関数の間に成り立つ関数等式の存在性を示した. 本講演では, この 2 つの多重ゼータ関数の関数等式を明示的に与えたので紹介する. 証明には多重ポリログ関数の関数等式を用いたので, このことについても述べる. また, 証明のアイデアとして, 山本(2017)によって導入された2色半順序集合に付随する多重積分表示についても紹介したい.

 


[第24回]

日時: 2022年3月22日(火) 15:30--17:00

 

場所: オンライン開催(Zoom)

 

講演者: 柴山 太郎(千葉大学)

 

講演題目: 量子挿入/削除誤り訂正符号を構成するための組合せ構造

 

講演概要: 量子誤り訂正符号は,量子情報理論において不可欠な理論の一つであり,これまでにビット反転誤りや位相反転誤りのようなユニタリ行列で表される誤りに耐性を持つ量子符号が数多く構成されてきた.一方,挿入/削除誤りに対する量子誤り訂正符号が注目され始めたのは2020年以降であり,近年,ビット列の集合に対するある組合せの構造から,量子挿入/削除誤り訂正符号を構成できることが示された.本講演では,単一量子削除符号と単一量子挿入符号を構成するための組合せ構造をそれぞれ紹介し,その構成例を考察する.特に,その両方を満たすような系列的な構成を与える.本研究は萩原学氏(千葉大)との共同研究を一部含む.

 


[第23回]

日時: 2022年2月21日(月) 15:30--17:00

 

場所: オンライン開催(Zoom)

 

講演者: Seung Jae Eom (横浜国立大学)

 

講演題目: 2-bisection of claw-free 3-regular graphs and the minimum number of monochromatic edges

 

講演概要: A bisection of a graph $G$ is a partition of its vertex set into two parts $V_1$ and $V_2$ of the same cardinality. A $k$-bisection of a graph $G$ is a bisection of $G$ such that every connected component of $G[V_i]$ has at most k vertices, where $G[V_i]$ denotes the subgraph of $G$ induced by $V_i$. Ban and Linial conjectured that every bridgeless cubic simple graph admits a 2-bisection except for the Petersen graph. Recently, Ciu and Liu showed that the conjecture is true for claw-free graphs. In this talk, we show that there exists a 2-bisection with minimum number of monochromatic edges for claw-free graphs without $K_{4}^{-}$ , where $K_{4}^{-}$ is a graph which is obatained from $K_4$ by removing one edge. This is joint work with Kenta Ozeki.

 

 


[第22回]

日時: 2021年12月23日(木) 16:00--17:30

 

実施形態: 愛知県立大学サテライトキャンパス (愛知県産業労働センター15階) と Zoom でのハイブリッド形式で開催.

 

講演者: 籾原幸二 (熊本大学)

 

講演題目: p-群でない可換群上のpartial difference setについて

 

講演概要: Paley型partial difference set(または, conference Cayley graph)が存在する可換群の位数が, Polhill (2010)とWang (2020)によって決定された. 特に, Polhillが十分性を証明し, Wangが必要性を証明した.  Davis-Jedwab (1997)は, building setと呼ばれる指標値に関して良い性質を持つ部分集合の族を導入し, difference setの統一的構成法を与えた. Polhillは, そのbuilding setを利用して, p-群以外でPaley型partial difference setの構成を行った.  本研究では, building setの概念やそれに付随するいくつかの結果を一般化し, さらにPolhillの手法の一般化を行った. これにより, p-群以外でLatin square型またはnegative Latin square型のpartial difference set(または, strongly regular Cayley graph)を生成する新たな構成法を考案したので, その内容について報告したい.

 

 


[第21回]

日時: 2021年9月13日(月) 14:30--16:00

 

場所: オンライン開催(Zoom)

 

講演者: 野崎寛 (愛知教育大学)

 

講演題目: 擬ユークリッド空間における距離集合について

 

講演概要: ユークリッド空間R^dの有限部分集合Xにおいて,Xの互いに異なる2点間の距離の集合のサイズがsであるときに,Xをs-距離集合という.例えば正五角形の頂点集合は,R^2における2-距離集合である.s-距離集合の元の個数については,自然な上界が知られており,元の個数が最大なs-距離集合を決定することが主問題となる.本講演では,擬ユークリッド空間R^{p,q}に対して,s-距離集合と類似の概念を考えて,ユークリッド空間のときに成立していた定理の拡張をいくつか紹介したい.また,s-距離集合の距離の値a_iが全て整数のとき,素数pを法として,全てのa_iが0と合同でなく,a_i≡a_jとなるa_i, a_jがあるとき,元の個数の上界が大きく改善されることが知られている.これを代数体の整数環とその素イデアルに拡張する.本研究は,篠原雅史氏(滋賀大)と須田庄氏(防衛大)との共同研究である.

 

 


[第20回]

日時: 2021年7月19日(月) 14:30--16:00

 

場所: オンライン開催(Zoom)

 

講演者: 盧暁南 (山梨大学)

 

講演題目: SATソルバーの組合せデザイン問題への応用事例

 

講演概要: 多くの組合せ問題は制約充足問題 (Constraint Satisfaction Problem; CSP) として定式化できる. CSPを命題論理式の充足可能性判定 (Satisfiability Testing; SAT) 問題へ変換し,高速なSATソルバーにより解くことが,CSPに対する強力な解法として幅広く利用されている. 本講演では,SATソルバーを利用して組合せデザイン問題の求解に役に立つ研究事例を2つ取り上げる.まず,SAT定式化でPaley行列から準最適なlocating arrayと呼ばれる組合せデザインを構成するアプローチについて述べる. 次に,代数的特徴付けとCSP型SATソルバーを併用して位数が小さいcyclic almost difference set の数え上げに関する結果を紹介する.

 

 


[第19回]

日時: 2021年3月8日(月) 13:30--14:30 (通常と時間が異なります)

 

場所: オンライン開催(Zoom)

 

講演者: 野崎隆之 (山口大学)

 

講演題目: 数論的符号の重み分布と多元Tenengoltz符号の符号語数

 

講演概要: 数論的符号とは,1つまたは複数の合同式よって規定される系列の集合であり,挿入/削除誤りや非対称誤りの訂正に用いられる.符号化率(または伝送速度)は符号の性能指標の一つであり,符号の要素数である符号語数から導出される.しかしながら,数論的符号に対する符号語数の導出は,一般に容易ではない.
本講演では,数論的符号の符号語数を導出する上で重要な役割を果たす拡張重み分布を紹介し,拡張重み分布に関する恒等式を与える.更に,数論的符号の一つである多元Tenengoltz符号の符号語数を導く.

備考: 本講演の内容は 2020 IEEE International Symposium on Information Theory (ISIT) で発表したものです.この発表の予稿は IEEE Xplore から入手できます.また, プレプリント版は Arxiv にあります.

 

 


[第18回]

日時: 2020年12月17日(木) 9:30--10:30 (通常と時間が異なります)

 

場所: オンライン開催(Zoom)

 

講演者: Badri Vishal Pandey (University of Virginia)

 

講演題目: Ellipsoidal T-design

 

講演概要: (PDF Version)
A spherical t-design is a finite set X of points on the unit sphere in R^n which satisfies \frac{1}{|X|} \sum_{x \in X} P(x) = \frac{1}{Vol(S^{n-1})} \int_{S^{n - 1}} P(x) d \sigma(x) for all polynomials P(x) with degree ≤ t. The right-hand side is the surface integral over S^{n−1}. Recently, Miezaki generalized this concept to arbitrary (potentially infinite) subsets T of positive integers, as opposed to the finite set of degrees ≤ t. In the case where n = 2, he used the theory of complex multiplication by Z[i] to show that there are infinitely many spherical T -designs (namely lattice points of fixed norm) for the set T = Z^+ \ 4Z. We generalize the concept of spherical T-designs to ellipses in the case of imaginary quadratic orders with class number 1. This work relies on the theory of modular forms with complex multiplication. I will also talk about my recent work with Wei-Lun which extends the work to any classnumber.

 

 


第17回

日時: 2020年9月30日(水) 13:30--15:00 (通常と時間が異なります)

 

場所: オンライン開催(Zoom)

 

講演者: 梶浦 大起 (広島大学)

 

講演題目: Difference setのassociation schemeへの一般化について

 

講演概要: 有限群上のdifference setは古典的によく知られている数学的対象である。 講演者らは準モンテカルロ積分と呼ばれる数値積分法の手法をassociation schemeに応用することを研究している。 有限可換群においては, Turynによって有限群の部分集合上の指標の和の値が(非自明な)指標の選び方に依存しないことと,その部分集合がdifference setであることが同値であることが知られている。 我々はその一般化として,可換association schemeに対し「association scheme上の関数に対しその総和を求める際,ある部分集合上での平均が最良近似を与えること」 と「部分集合がdifference setであること」の同値性を示した。Turynの結果は,thin-association schemeの場合に対応している。

また,設定を少し変えて,可換性を仮定せず,有限群Gがtransitiveに作用するXの定めるassociation scheme(Schurian association scheme)を考える。 Xの部分集合Dがdifference setになる必要十分条件が,DのGによる軌道(Xの部分集合族となる)が2-designになることと同値であることを示した。 この条件は,point transitiveなblock transitive 2-designという概念と同値であることもわかっている。

本講演ではこれらの結果と合わせて,数値実験により得られたいくつかのassociation scheme上のdifference setの具体例を紹介する。 本研究は松本眞(広島大)・奥田隆幸(広島大)との共同研究を一部含む。

 

 


第16回

日時: 2019年11月26日(火) 17:30--19:00 (通常と時間が異なります)

 

場所: 愛知県立大学サテライトキャンパス (愛知県産業労働センター15階)

 

講演者: Sebastian M. Cioaba (University of Delaware)

 

講演題目: How to address graphs and hypergraphs ?

 

講演概要: In the 1970s, Graham and Pollak described a way to label/address the vertices of a connected graph with words of the same length over the alphabet {0,1,*} such that one can determine the shortest path between any two vertices using these addresses. Minimizing the length of such addresses is an interesting problem with connections to linear algebra and computer science. In this talk, I will describe some recent results in this area involving Hamming, Johnson graphs and other graphs as well as the extensions of this problem to hypergraphs. Many problems are open and the talk will be accessible to undergraduate students.

 

 


第15回

日時: 2019年11月26日(火) 17:30--19:00

 

場所: 愛知県立大学サテライトキャンパス (愛知県産業労働センター15階)

 

講演者: 伊東圭司 (東北大学 情報科学研究科)

 

講演題目: 隣接代数の bases of matrix units

 

講演概要: 可換アソシエーションスキームはその隣接行列によって張られる隣接代数をもつ。 隣接代数は2つ目の基底として原始冪等元の集合を持つことが知られており、その性質のよさから さまざまな応用・発展が研究されている。 本研究では、非可換アソシエーションスキームやコヒアラント配置の隣接代数に対しても 性質のよい2つ目の基底を構成することを目標としており、nearly multiplicity-free と呼ばれる 条件を満たすような非可換アソシエーションスキームと、ファイバー可換なコヒアラント配置に対して、 bases of matrix units と呼ばれる性質のよい2つ目の基底が構成できることを紹介する。 本研究は、宗政昭弘氏(東北大)との共同研究である。

 

 


第14回

日時: 2019年7月12日(金) 17:00--18:30

 

場所: 愛知県立大学サテライトキャンパス (愛知県産業労働センター15階)

 

講演者: 大浦学 (金沢大学)

 

講演題目: 符号のヤコビ多項式

 

講演概要: 2元体上の有限次元ベクトル空間を符号と呼ぶことにします。 符号とモジュラー形式の対応は色々と研究されてきました。 そのなかで、小関道夫氏はモジュラー形式に関連したヤコビ形式にならって、 符号のヤコビ多項式の概念を導入しました。 今回の話しは、この話しの一般種数版についてお話しします。 本間恵太氏、岡部尭文氏との共同研究です。

 

 


第13回

日時: 2019年3月11日(月) 17:00--18:30

 

場所: 愛知県立大学サテライトキャンパス (愛知県産業労働センター15階)

 

講演者: 中島規博 (名古屋工業大学)

 

講演題目: 超平面配置の高階自由性について

 

講演概要: Holmは自由配置の高階化としてm-自由配置を定義し,同時に超平面配置のm-自由性に関して,次の問題を提唱した. (Q1)m-自由配置は(m+1)-自由配置であるか?(Q2)すべての超平面配置は十分大きな整数mに対してm-自由であるか? Holmなどの研究により,超平面配置がジェネリック配置のときにはQ1とQ2ともに正しく, 2次元の超平面配置ではQ2が正しいことが証明されている. 一方で,九州大学の阿部拓郎氏と講演者の最近の研究により,Q1とQ2の両方に反例が与えられた. 特に,Q2の反例は4次元以上のすべての次元で構成できる. 本講演では,高階自由配置に関する基本的事実,Holmの問題の反例,3次元超平面配置に対する問題Q2について議論する.

 

 


第12回

日時: 2018年12月7日(金) 17:00--18:30

 

場所: 愛知県立大学サテライトキャンパス (愛知県産業労働センター15階)

 

講演者: 齋藤 正顕 (名古屋文理大学 基礎教育センター)

 

講演題目: 正則グラフの固有ベクトルに関する Berry 予想

 

講演概要: リーマン面上のシュレディンガー方程式の解の半古典極限をとると, その力学系が非正則な場合には, 固有関数の値分布がガウス分布になる」ことを M.V. Berry は 1977年の論文で予想した.D.A. Hejhal らは,2001年の論文で, 複素上半平面上の CM 型 Maass 波動形式についても,Berry の予想が成り立つ という数値実験の結果を発表している. 一方で, 近年, Brooks-Lindenstrauss (2013), Anantharaman-Le Masson (2015) などの研究では, グラフ上の量子エルゴード性の 観点から「半古典極限のグラフ理論的類似」を考えている. それを踏まえて, 本講演では, グラフ理論的な Berry の予想の類似を定式化し, その数値実験について報告する. 本研究は, 長谷川武博氏(滋賀大学)と瀬川悦生氏(横浜国立大学)との共同研究である.

 

 


第11回

 

日時: 2018年9月14日(金) 14:00〜17:00

 

場所: 愛知県立大学サテライトキャンパス (愛知県産業労働センター15階)

 

講演者1: 伊藤 真理 (東京理科大学 理工学部)     (講演時間: 14:00〜15:00)

 

講演題目: スケジューリング問題のモデリング: 実社会へ最適化手法を応用するために

 

講演概要: 実社会にはスケジューリング問題が多数存在する.近年,スケジューリング問題を解くための最適化手法に関する理論的な研究が進み,現場への応用範囲が広がりつつある.講演者が携わってきた事例研究として,児童養護施設職員のシフトスケジューリング問題,手術室のスケジューリング問題, 人間ドックのスケジューリング問題,発電プラントの保全活動スケジューリング問題,地域熱利用インフラの統廃合スケジューリング問題等がある.本講演では,実社会のスケジューリング問題例,それらの問題解決に用いられる最適化手法,講演者によるスケジューリング問題の事例研究成果の一部を紹介する.

 

 

講演者2: 阿部 敏生 (横浜国立大学 環境情報学府)     (講演時間: 15:30〜17:00)

 

講演題目: グラフの彩色とリスト辺彩色予想について

 

講演概要: グラフの各頂点に隣接する頂点同士は異なるように色を与える写像をグラフの頂点彩色と呼ぶ。特に、グラフが高々k色の色で頂点彩色できるときk-彩色可能であるという。 また、グラフの各頂点に大きさkの任意の色のリストを与え、そのリストから色を上手く選ぶことでグラフの頂点彩色が構成できるとき、そのグラフはk-リスト彩色可能(k-選択的)であるという。
本講演では曲面上に埋め込まれたグラフの染色数および選択数の上界やリスト辺彩色予想に関連する結果について紹介する。

 

 


第10回

日時: 2018年5月11日(金) 17:00〜18:30

 

場所: 愛知県立大学サテライトキャンパス (愛知県産業労働センター15階)

 

講演者: 渡邊 悠太 (宇部工業高等専門学校 一般科)

 

講演題目: 有限射影幾何の組合せ構造の代数的性質について

 

講演概要: 有限体上の有限次元ベクトル空間に対して、その部分空間の成す半順序集合(有限射影幾何)を考える。有限射影幾何の大域的な結合関係から定まる結合代数は、量子代数 U_q(sl_2) の準同型像として実現されることが知られている。 本講演では、この関係を量子アファイン代数 U_q(sl_2^) のレベルへ拡張できることを紹介する。 さらに、R.A.Bailey(2006)によって導入されたアソシエーションスキームの一般化リース積との関連についても述べる。

 


第9回

日時: 2017年2月6日(火) 17:00〜18:30

 

場所: 愛知県立大学サテライトキャンパス (愛知県産業労働センター15階)

 

講演者: Qing Xiang (University of Delaware)

 

講演題目: Characterization of Intersecting Families of Maximum Size in PSL(2,q)

 

講演概要: The Erdos-Ko-Rado (EKR) theorem is a classical result in extremal set theory. It states that when k < n/2, any family of k-subsets of an n-set X, with the property that any two subsets in the family have nonempty intersection, has size at most \binom{n−1}{k-1}; equality holds if and only if the family k−1 consists of all k-subsets of X containing a fixed point. Here we consider EKR type problems for permutation groups. In particular, we focus on the action of the 2-dimensional projective special linear group PSL(2,q) on the projective line PG(1,q) over the finite field \mathbb{F}_q, where q is an odd prime power. A subset S of PSL(2,q) is said to be an intersecting family if for any g_1, g_2 ∈ S, there exists an element x ∈ PG(1,q) such that x^{g_1} = x^{g_2}. It is known that the maximum size of an intersecting family in PSL(2, q) is q(q − 1)/2. We prove that all intersecting families of maximum size are cosets of point stabilizers for all odd prime powers q > 3.

 


第8回

日時: 2017年11月16日(木) 17:00〜18:30

 

場所: 名古屋大学 情報科学研究科棟 3階 322室

 

講演者: 松原 和樹 (中央学院大学商学部)

 

講演題目: BIBデザインの組加法性と関連する組合せ構造

 

講演概要: BIBデザインは点集合とその部分集合(ブロック)族で定義され、任意の2点の会合数がブロック内で一定となる組合せ構造である。また、行列(生起行列)を用いて表すことができる。本講演では、2つのBIBデザインに対して組加法性を定義し、互いに組加法性を持つBIBデザインの集合とそれらに関連する組合せ構造について、存在性と構成法およびその応用を議論する。特に、組加法性は各ブロックにおける内的会合数に加え、ブロック間での外的会合数が一定となる性質を持つ。これらの性質を生起行列で表し、デザインの存在性と構成法に関する結果を述べる。さらに、外的会合数のみに注目した組合せデザインについての結果も紹介する。

 


第7回

日時: 2017年9月19日(火) 18:00〜19:30

 

場所: 愛知県立大学サテライトキャンパス (愛知県産業労働センター15階)

 

講演者: 栗原 大武 (北九州工業高等専門学校)

 

講演題目: 複素グラスマン多様体とジョンソングラフの調和解析

 

講演概要: 複素グラスマン多様体はコンパクト型の対称空間であり、大対蹠集合と呼ばれる対称空間の観点からみて性質の良い有限部分集合をもつ。この大対蹠集合に自然な隣接関係を入れグラフ構造を定めるとジョンソングラフが得られる。本講演では、複素グラスマン多様体上の関数空間とジョンソングラフ上の関数空間の関係を調和解析の立場から考察を行う。大まかには以下のような流れである:複素グラスマン多様体上の関数空間はユニタリ群の表現、ジョンソングラフ上の関数空間は対称群の表現と捉えられ、複素グラスマン多様体上の関数空間を大対蹠集合上に制限すればユニタリ群の表現と対称群の表現の間に対応がつく。またその対応から大対蹠集合が複素グラスマン多様体上の"良い"デザインであることも見ることができる。本研究は広島大学の奥田隆幸氏との共同研究である。

 


第6回

日時: 2017年7月25日(火) 17:00〜18:30

 

場所: 愛知県立大学サテライトキャンパス (愛知県産業労働センター15階)

 

講演者: 佐藤 巌 (小山工業高等専門学校 一般科)

 

講演題目: グラフのゼータ関数の行列式表示とその応用

 

講演概要: グラフのゼータ関数の行列式表示と、その量子グラフ、量子ウォークへの応用について述べる。 先ず、グラフのIharaゼータ関数について概説し、その行列式表示を与え、Iharaゼータ関数の 変形であるweightedゼータ関数、Bartholdiゼータ関数の行列式表示について述べる。 次に、第2種weightedゼータ関数の行列式表示を取り扱い、量子グラフの散乱行列に関する Smilanskyの定理の別証明を与え、離散時間量子ウォークの一つであるGrover walkの時間 発展行列の特性多項式を導く。後者に関連して、強正則グラフの同型予想に関する話題に触れる。

 


第5回

日時: 2017年5月16日(火) 17:00〜18:30

 

場所: 愛知県立大学サテライトキャンパス (愛知県産業労働センター15階)

 

講演者: 篠原 雅史 (滋賀大学 教育学部)

 

講演題目: 完全グラフの辺着色に関係する点配置問題について

 

講演概要: ユークリッド空間上の有限部分集合 X を自然に完全グラフの辺着色に対応付けることができる.つまり,完全グラフの頂点集合を X と同一視し,二点間の距離が等しいとき,またその時に限り同じ色で結ぶような辺着色を考える.本講演では,この対応付けが上手くはたらく点配置問題について,講演者の最近の結果を交えて紹介する.そのうちの幾つかは,純粋に完全グラフの辺着色に関する極値組合せ論の問題として取り出すことができる.一方,辺着色から点配置を復元することについて,2-辺着色された完全グラフ(つまりグラフ)の場合に知られているが,一般の場合に対しては容易ではない.本講演では,(上記問題に関係する)具体的なk-辺着色完全グラフの埋め込みについても紹介する.

 


第4回

日時: 2017年1月11日(水) 16:00〜17:30

 

場所: 愛知県立大学サテライトキャンパス (愛知県産業労働センター15階)

 

講演者: 佐竹 翔平 (名古屋大学 大学院情報科学研究科)

 

講演題目: アーベル群上のグラフのRamanujancyに関する考察

 

講演概要: 正則グラフの固有値の中で絶対値が2番目に大きな固有値を第二固有値とよぶ. 第二固有値からは直径などのグラフの情報が得られるため,これまで多くの研究がなされてきた. 応用上の観点からはその絶対値はできるだけ小さいほうが望ましいことが知られているが, Alon-Boppana によってその漸近的な下界が示されている. こうした経緯からRamanujanグラフと呼ばれる正則グラフが Lubotzky-Phillips-Sarnak によって定義された. Ramanujanグラフに関してはこれまで多くの構成法が研究されてきた. 特に群上のCayleyグラフや和グラフについては,その固有値が指標和で表されることから,解析数論等においても研究されている. 本講演では,まず,アーベル群上のPaleyグラフの類似となるCayleyグラフを与え,それがRamanujanであることを示す. 次に N. Alon らによって定義されたノルムグラフと呼ばれる和グラフの類似を与え,Ramanujanグラフとなるための条件について述べる.

 

 


第3回

日時: 2016年11月16日(水) 16:00〜17:30

 

場所: 愛知県立大学サテライトキャンパス (愛知県産業労働センター15階)

 

講演者: 奥田 隆幸 (広島大学 大学院理学研究科)

 

講演題目: 商についての Delsarte 理論

 

コンパクト対称空間やアソシエーションスキームの有限部分集合について, それらの符号(幾何学的)としての性質と測度近似(解析学的)としての性質の間に球フーリエ変換(第一, 第二固有行列)で説明される関係がある. これを Delsarte 理論という. 本講演では"部分集合"の替りに"商"を考えた場合, Delsarte 理論がどのように定式化されるかということについての考察を行う. 特に伊原の公式としてしられる正則有限グラフの固有値の重複度についての情報と閉サイクルの長さについての情報の間の対応が Delsarte 理論の枠組みで説明されることを示す. 本研究は愛知教育大の野崎寛氏, 東北大学の見村万佐人氏との共同研究である.

 

 


第2回

日時: 2016年9月27日(火) 16:00〜17:30

 

場所: 愛知県立大学サテライトキャンパス (愛知県産業労働センター15階)

 

講演者: 谷口 哲至 (広島工業大学 工学部)

 

講演題目: 辺符号グラフとホフマングラフ --- グラフの最小固有値について ---

 

講演概要: 最小固有値が -2 よりも大きなグラフについての分類が1970年ごろに成されている。一方で、 我々は最小固有値が -3 以上のホフマングラフを分類することを目標に研究してきた。 その過程でホフマングラフのスペシャルグラフを詳しく知る必要があり、「最小固有値が -2 以上の辺符号グラフの分類」 についても研究を行うこととなった。双方には深い関係があり、グラフの最小固有値による階層を下るには、 両領域での研究の進展が不可欠である。 本講演ではホフマングラフについて基礎から、そしてこれまでの研究成果と現在考えている問題について話をしたい。

 

 


第1回

日時: 2016年7月29日(金) 16:00〜17:30

 

場所: 名古屋大学 情報科学研究科棟 1階 第2講義室

 

講演者: 田坂 浩二 (愛知県立大学 情報科学部)

 

講演題目: 多重ゼータ値の線形関係式

 

講演概要: 多重ゼータ値とは、リーマンゼータ関数のある種の多変数化である多重ゼータ関数の正の整数点での値として定義される実数値である。 多重ゼータ値は、ある種のガロア理論との関連から、整数論の研究において非常に重要な対象であり、ZagierやDeligneが取り上げて以来20年弱で急速に発展してきた分野である。 講演では、ガロア理論的な見方よりもさらに詳しくかつ素朴な問題意識である"多重ゼータ値の線形関係式"の研究について議論する。 具体的には、可換環論との結びつきが強い"複シャッフル関係式"について述べ、関連する予想を紹介する。 時間が許せば、この関係式のモジュラー形式の問題への応用など、講演者の最近の結果について触れたい。

 

 


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最終更新日:2024年4月8日