歩道を歩いていると、右脚に何かがぶつかった。なんだと思って振り返ると、小学生が乗った自転車がコケている。「だいじょうぶ?」と声をかけたが、男の子は立ち木にぶつかって転んだかのように何も言わずに起き上がり、何も言わずに去って行った。
過日リニモに乗っていると、男子学生の財布から定期券が落ちた。それに気づいた年配の男性が声をかけると、ヘッドフォンで聞く音楽に夢中のためか、わからない様子。ようやく気付くと、のっそりとヘッドフォンを外し、定期を拾い上げ、再び音楽に没頭していた。この間、周囲に誰もいないかのように一言も発しない。
こんなジョークを思い出した。元はユダヤジョークだが、場所を日本に置き換えてみた。
日本に移住してきて間もない父親たちにインタビューしてみた。
「何か困ったことはないですか」
「言葉が難しいです。『こんにちは』『さようなら』『ありがとう』『ごめんなさい』の4つはようやっと覚えたのですが。」
「皆さんの子供たちは言葉を覚えるのが速いでしょう。」
「その通りです。でもさっきの4つはちっとも覚えられないんです。」
何も注意できない自分にも困ったものだが。(苦笑)