最適化された情報ネットワーク社会の構築

奥田教授

 当研究室では、情報通信ネットワークシステムを「最適化」するための性能評価・設計・デザインについて研究しています。また、「最適」とは何か?ということも再考しています。

 パソコンやスマートフォン、自動車、ロボットなど、私たちの周囲には自律型デバイスが溢れています。それぞれ独立した個性的な存在が、さまざまなサービス実現のために、デバイス同士がネットワークで結ばれようとしています。モノのインターネットIoTです。

 デバイスの数や種類の増加に伴い、ネットワークの情報量は激増し、発生パターンも複雑化の一途にあります。社会全体を俯瞰し、いかに最適化されたシステムを構築するか。そのために、確率論や待ち行列理論など数理的アプローチを駆使し、解析・設計を行なっています。

 情報ネットワークは産業・生活・社会を支える社会基盤であり、人もデバイスも相互依存の関係にあります。情報ネットワークの最適化で、人は待ち時間や移動時間などの労力が不要になり、スケジュール管理からも解放され、本来の「思考すること」に時間を費やせるようになります。また、エネルギーの消費やCo2の発生が抑制できるなど、高いQOE(クオリティ・オブ・エクスペリエンス)社会が実現します。

 近い将来、身の周りのデバイスはシンプルに統合され、家には人間型ロボットが1台あれば、後は冷蔵庫とエアコンだけで生活できる日が来るかもしれません。 しかし、それもシステムが正常に稼働していればこそ。トラブルが発生した場合の対応システムなど、あらゆる事態を想定した多角的な視野で研究を進めています。

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